こんにちは!あなたの夢の開業を全力で応援する、風営法と国際業務の専門家、鈴鹿行政書士事務所です。

「ついに理想の物件を見つけた!」
「この場所でスナックを開業したい!」

開業準備の中で、物件との出会いはまさに運命ですよね。
しかし、その高揚感のままに契約書にサインするのは、少し待ってください!
もし、その場所が風営法の「場所的要件」を満たしていなかったら…?

最悪の場合、多額の保証金や内装費を支払った後で「ここでは営業できません」という事態になりかねません😱

この記事では、そんな悲劇を避けるため、風俗営業許可の取得で最大の関門となる「場所的要件」、特に学校病院などの「保全対象施設」からの距離制限について、誰よりも分かりやすく解説します。あなたの物件選びが成功するかどうかは、この知識にかかっています!

風営法許可の最重要関門!「場所的要件」とは?

風営法の「場所的要件」とは、一言でいうと「風俗営業をしても良い場所かどうかを定めた、立地のルール」のことです。
このルールは、主に2つの大きな柱で成り立っています。

  1. 用途地域の制限:街づくりのルール上、営業が許可されているエリアか?
  2. 保全対象施設からの距離制限:子どもたちの健全な育成や、静穏な環境を守るため、学校病院などから一定の距離が離れているか?

この2つの条件を両方クリアしなければ、どんなに素敵な内装のお店を作っても、どんなに素晴らしいサービスを考えても、許可は絶対に下りません。
まさに、最初の、そして最大の関門なのです。

最初の壁「用途地域」をチェックしよう!

まず確認すべきは「用途地域」です。これは都市計画法という法律で定められた、街のエリア分けのようなもの。
「ここは住宅街」「ここは商業エリア」といったゾーニングがされています。

そして、風俗営業(1号営業:スナック、ラウンジ、キャバクラなど)が許可されるのは、原則として「商業地域」「近隣商業地域」です。

「自分の物件の用途地域がわからない…」という場合は、市役所や区役所の「都市計画課」などの窓口で確認できるほか、自治体によってはホームページで公開していることもあります。まずはこの第一関門をクリアしているか確認しましょう。

最難関!「保全対象施設」からの距離制限を徹底解説

「保全対象施設」からの距離制限を解説の画像

用途地域をクリアしても、まだ安心はできません。次なる壁が、この「保全対象施設」からの距離制限です。

「保全対象施設」とは具体的にどんな施設?

風営法で守るべき対象として定められている「保全対象施設」には、以下のようなものがあります。

 施設の種類 具体例
学校小学校、中学校、高等学校、大学、専修学校など(※塾や予備校は含まれないことが多い)
図書館公立・私立の図書館
児童福祉施設保育所、児童養護施設、認定こども園など
病院・診療所病院(8人以上の患者を入院させる施設を有するもの)

特に注意が必要なのは病院診療所の違いです。「入院設備(ベッド)がないクリニックや歯科医院」は、保全対象施設には含まれません。
目の前に歯医者さんがあっても、それだけではNGにはならないのです。

どのくらい離れればOK?具体的な距離とエリアの関係

では、保全対象施設から具体的にどのくらいの距離を離す必要があるのでしょうか?
病院(8人以上の入院設備あり)を例にみてみましょう。これは、お店を出そうとしている場所の「用途地域」によって、都道府県の条例で定められています。

 用途地域 必要な距離(例:東京都の場合)
商業地域20m以上
近隣商業地域50m以上

※この距離はあくまで一例です。自治体によって細かく異なるため、必ずご自身のエリアの条例を確認する必要があります。

【重要】距離の測り方は「直線距離」!

この距離を測る上で、最も重要なポイントがあります。それは、「道のり」ではなく「直線距離」で測るということです。

(イメージ)
[営業所] ←(直線距離)→ [保全対象施設]

建物の敷地の、最も近い点と点を直線で結んだ距離で判断されます。間に他の建物があろうが、川が流れていようが関係ありません。
「Googleマップのルート検索で測ったら大丈夫だった」というのは通用しないので、絶対に注意してください!
この「直線距離」の測定こそが、専門家でなければ難しい最大の理由なのです。

風俗営業 場所的要件 緩和

実は、この厳しい距離制限には、一部「緩和措置」が存在します。
東京都の場合、東京都公安委員会告示に定められた、特定地域エリアでは、「保全対象施設が営業所の敷地から20m以内にあってもOK」といった条例が定められている場合があります。
ただし、これは非常に限定的なケースです。「もしかして自分の場所も?」と期待する前に、必ず専門家による正確な場所的要件の調査が必要です。

物件契約前に絶対やるべき!場所的要件の事前調査

物件契約前に絶対やるべき!の画像

ここまで読んで、場所的要件の判断がいかに複雑で難しいか、お分かりいただけたかと思います。
物件契約という大きな投資をする前に、その場所で本当に営業できるのかを100%確実にするための「事前調査」は、もはや必須です。

ご自身で調査することも不可能ではありませんが、以下のようなリスクが伴います。

  • 地図情報の見落とし:地図に載っていない新しい保育園があるかもしれない。
  • 施設の定義の勘違い:ビルの一室に入っている小さな診療所を見落とすかもしれない。
  • 距離測定の誤差:ご自身で測った距離が、警察の測量と数センチ違っただけでNGになる。

こうしたリスクを回避し、安心して物件契約を進めるために、私たち行政書士がいます。
行政書士は、役所での情報収集や現地の綿密な調査、正確な測量を行い、「この場所で許可が取れるか」をプロの目で判断します。

まとめ:物件契約は「場所的要件調査」の後に!

まとめ:物件契約は「場所的要件調査」の後に!の画像

今回は、風俗営業許可の成否を分ける「場所的要件」について、特に「保護対象施設」からの距離に焦点を当てて解説しました。

  • 場所的要件は「用途地域」と「保護対象施設からの距離」の二本立て。
  • 保護対象施設には学校病院(入院設備あり)などが含まれる。
  • 距離は「直線距離」で測るため、素人判断は非常に危険。

最高の物件と出会えたその情熱を、決して無駄にしてはいけません。
物件の賃貸借契約を結ぶ前に、まずは私たち専門家による「立地の健康診断」を受けてください。
あなたの夢の城が、法的に問題のない、盤石な土地の上に建てられるよう、私たちが全力でサポートします!🤝