こんにちは!あなたの街の開業コンサルタント、風営法と国際業務を専門とする鈴鹿行政書士事務所です。

「お洒落な個室風の空間を作りたいんだけど、大丈夫かな?」
「内装工事が終わった後で、警察から『これじゃダメ』って言われたらどうしよう…」

お店のコンセプトを考え、内装デザインを練る時間は、開業準備の中でも特に楽しいひとときですよね。
しかし、そのデザインが風営法のルールに違反していたら、全てが水の泡になってしまいます。

特に、お店の作りに関するルールである「構造的要件」は、一度工事してしまうと修正が大変!
莫大な追加費用と時間がかかり、オープンが大幅に遅れる原因になりかねません。😱

そこで今回は、あなたの内装工事が失敗に終わらないよう、風営法が定める「構造的要件」について、客室の広さ見通し明るさといった重要ポイントを、業種別に徹底解説します!

内装工事の前に必読!風営法の「構造的要件」とは?

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風営法の「構造的要件」とは、一言でいうと「お店の健全な営業環境を保つための、店舗の構造や設備に関するルール」のことです。

なぜこのようなルールがあるのかというと、お店が密室化して犯罪の温床になったり、風紀を乱すような営業が行われたりするのを防ぐためです。

この構造的要件は、許可申請後に警察が行う「実地検査」で、提出した図面と照らし合わせながら厳しくチェックされます。
ここでNGが出ないよう、設計段階からルールをしっかり理解しておくことが何よりも重要です。

【業種共通】全ての風俗営業で守るべき構造的要件の基本

まずは、スナックであれ麻雀店であれ、ほとんどの風俗営業に共通する基本的なルールから見ていきましょう。

最重要ポイント!客室内の「見通し」を妨げる設備の禁止

これが構造的要件の核となるルールです。客室の内部が簡単に見渡せるように、「高さ1メートル以上の仕切り」を設置することが禁止されています。

  • NGな設備 🙅‍♂️:背の高いパーテーション、つい立て、カーテン、個室を区切る壁など
  • OKな設備 🙆‍♂️:カウンター、背もたれが1m未満のソファ、観葉植物(見通しを著しく妨げない程度)

「お客さんのプライバシーのために…」と考えて設置した背の高い仕切りが、実は違法だったというケースは非常に多いです。開放的な空間作りを心がけましょう。

意外な落とし穴!「善良の風俗を害する」装飾や設備の禁止

お店の雰囲気を決める内装ですが、これも何でもOKというわけではありません。

  • 過度に性的な写真やポスターの掲示
  • 性的な好奇心をそそるような形状のイスやベッドの設置
  • 過激な映像を流すモニター

など、「善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある」と判断されるものはNGです。
この基準はやや曖昧なため、個性的な内装を考えている場合は、事前に警察署へ相談するのが賢明です。

客室の施錠設備の禁止

客室の中から鍵をかけられる構造は、密室化につながるため絶対に禁止です。
内側から施錠できるドアノブや、かんぬきなどは設置できません。

【業種別に解説】接待飲食店・遊技場の構造的要件の違い

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ここからは、より具体的に業種別構造的要件を見ていきましょう。特に「客室の広さ」や「明るさ」のルールは、業種によって大きく異なります。

 業種 客室の広さ 客室の明るさ 見通し(1mの壁)
1号営業(スナック、キャバクラ等)1室16.5㎡以上
(和室は9.5㎡以上)
5ルクスを超えること共通
4号営業(麻雀、パチンコ店等)規定なし10ルクスを超えること共通
5号営業(ゲームセンター)規定なし10ルクスを超えること共通+α

スナック・キャバクラ等の「接待飲食店(1号営業)」の構造的要件

  • 客室の広さ客室の広さ16.5㎡(約10畳)以上必要です。和室の場合は9.5㎡(約5.7畳)以上となります。客室が複数ある場合は、1室あたりの広さがこの基準を満たしている必要があります。(客室が1室のみの場合はこの限りではありません。)
  • 客室の明るさ照度が5ルクスを超える必要があります。「5ルクス」は、映画館で本編が始まる直前の客席くらいの明るさです。ムードを出そうと暗くしすぎると、この基準に抵触する可能性があります。

麻雀店・パチンコ店等の「遊技場(4号営業)」の構造的要件

  • 客室の明るさ:接待飲食店よりも厳しい、照度が10ルクスを超えることが求められます。これは、イカサマなどの不正行為を防ぐためです。手元がはっきり見える程度の明るさが必要になります。
  • 遊技料金の表示:お客さんが見やすい場所に、遊技料金を明記した表示を掲げる必要があります。

風営法 客室 明るさ 測定方法

客室の明るさ(照度)は、どうやって測定するのでしょうか?警察の実地検査では、「照度計」という専門の機械を使って、客室内のテーブル、カウンターの上、椅子の座面などで測定するのが一般的です。
風営法で定められた明るさをクリアするためには、照明の数や種類、配置を設計段階でよく検討する必要があります。
「調光器で一番暗くした状態」で測定されるため、あらかじめ固定しておくか、調光器自体を撤去しておく必要があります。

内装工事で失敗しないための最重要ポイント

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最後に、あなたの内装工事を成功に導くための、最も重要なポイントをお伝えします。

設計段階で専門家(行政書士)に相談する!

これが全ての基本にして、最も確実な方法です。「こんなデザインにしたい」というイメージが固まったら、工事を始める前に、必ず私たちのような風営法専門の行政書士にご相談ください。
私たちは、構造的要件を熟知しており、許可申請に必要な専門的な図面作成も行います。
内装業者さんとオーナー様の間に入り、法的な観点からデザインをチェックし、警察署との事前相談も代行します。
この一手間が、後の手戻りや追加費用を防ぐ最大の防御策になるのです。✍️

警察による「実地検査」でチェックされること

許可申請をすると、警察の担当者がお店にやってきて、構造的要件が守られているかを目で見て確認する「実地検査」が行われます。
この検査では、提出した図面と実際の店舗の作りが「1cm単位」で合っているかを厳しくチェックされます。
図面にない棚が置いてあったり、ソファの高さが少し違ったりするだけで、修正するまで許可は下りません。
この検査に合格して、初めて営業ができるようになるのです。✅

まとめ:正しい構造的要件の理解が、スムーズな開業への近道!

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今回は、風営法の「構造的要件」について、業種別客室の広さ明るさのルールを中心に解説しました。

  • 構造的要件は、お店の作りに関する健全化のためのルール。
  • 「高さ1m以上の仕切り」は原則NGで、見通しが重要。
  • 客室の広さ明るさは、業種によってルールが異なる。
  • 内装工事は、必ず専門家警察事前相談してから始める。

ルールが多くて大変に感じるかもしれませんが、これらは全て、あなたのお店が安全で、お客さんに愛される場所になるために必要なものです。
内装設計で少しでも不安な点があれば、お気軽に私たち鈴鹿行政書士事務所までご連絡ください。
あなたの理想のお店作りを、法的な側面から全力でサポートさせていただきます!🤝