こんにちは!
風営法と国際業務を専門とする鈴鹿行政書士事務所です。
お酒を飲みながら、娯楽用のテレビゲームやスロットマシンなどで気軽にゲームを楽しめる。
仲間とワイワイ盛り上がれる空間は、本当に魅力的ですよね。
「自分もこんな楽しいお店を開業したい!」
そう考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、その計画を進める上で、こんな不安が頭をよぎりませんか?
「お店にスロットマシンを置きたいけど、これって風営法許可が必要なの?」
テレビゲームの設備って、ゲームセンターと同じ扱いになる?」

その心配、ごもっともです!お店にテレビゲームやスロットマシンなどの「遊技設備」を設置する場合、風営法のルールを正しく理解しておかないと、知らないうちに法律違反になってしまう可能性があるのです。
今回は、そんな遊技設備の設置に関する風営法の注意点を、どこよりも分かりやすく解説していきます!

大原則:「遊技設備」を置くと風営法の対象になる?

大原則:「遊技設備」を置くと風営法の対象になる?

まず、風営法の基本的な考え方を知っておきましょう。
風営法では、「遊技設備を用いて客に遊技をさせる営業」を「風俗営業5号(ゲームセンター等)」と定めており、原則として警察署許可が必要となります。
「えっ、じゃあゲーム機を置いたら、ゲームセンターの許可を取らないといけないの!?」
そう思ってしまいますよね。でも、ご安心ください。
ある「魔法のルール」を使えば、5号営業許可を取らずに遊技設備を設置することが可能なのです。

【最重要】許可が不要になる「10%ルール」とは?

【最重要】許可が不要になる「10%ルール」とは?

その魔法のルールこそが、通称「10%ルール」です。
これは、「営業所内の客室の床面積のうち、遊技設備の占める面積の割合が10%を超えない場合は、風俗営業5号の許可は不要」というものです。

「10%ルール」の正しい計算方法

このルールを適用するには、正確な面積計算が不可欠です。

  • ① 客室の面積を計算する:まず、お客さんが利用するスペース(客室)全体の面積を正確に算出します。厨房やトイレ、倉庫などは含みません。
  • ② 遊技設備の面積を計算する:次に、テレビゲーム機やスロットマシンなどの機械本体だけでなく、お客さんがそのゲームをプレイするために必要な空間を含めて、遊技設備が占める面積を算出します。
  • ③ 割合を計算する:【② ÷ ① ≦ 0.1】となれば、ルールクリアです!

例えば、客室面積が50㎡のお店なら、遊技設備が占める面積を5㎡以下に抑える必要がある、ということです。

ケース別!遊技設備設置の注意点

ケース別!遊技設備設置の注意点

では、具体的なケースで注意点を見ていきましょう。

ケース①:テレビゲーム機やスロットマシンなどを設置する場合

テレビゲーム機やスロットマシンなどは比較的コンパクトなため、「10%ルール」をクリアしやすいです。しかし、油断は禁物。
本当に怖いのは、別の落とし穴です。

もし、お店のスタッフ(女の子など)が、

  • 特定のお客さんと一緒にゲームで対戦する
  • 隣に付きっきりで応援したり、おしゃべりしたりする

といった行為をすると、それは風営法上の「接待」とみなされます。
そうなると、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出だけでは営業できず、接待を伴う「風俗営業1号」の許可が必要になります。
1号許可を取ると、原則として深夜0時以降の営業ができなくなるため、ビジネスモデルが根底から覆る可能性があります。
「接待する」ことは、明確に区別しなければなりません。

ケース②:マージャン卓を設置したい!

まーじゃん店の営業に必要な許可は風俗営業4号許可です。10%ルールでの設置は不可です。

ケース③:デジタルダーツ、シュミレーションゴルフを設置したい!

デジタルダーツ、シュミレーションゴルフについては規制の対象外なので設置可能です。

しかし、油断は禁物。以下の点に注意する必要があります。

  ・従業員が目視やモニターで状況を把握できること。

  ・接待、遊興、賭博行為は許されない。

  ・少年のたまり場にならない。

  • 客室の見通しを妨げていないか?
  • 客室に鍵を付けていないか?(1号営業や深夜営業の場合)

など、遊技設備以外の観点からも、お店の作りをチェックする必要があります。

【早見表】あなたの店はどの許可が必要?

【早見表】あなたの店はどの許可が必要?
 営業スタイル 必要な許可・届出
遊技設備10%以下 + 接待なし + 深夜営業あり飲食店営業許可深夜酒類提供飲食店営業届出
遊技設備10%以下接待あり + 深夜営業なし飲食店営業許可風俗営業1号許可
遊技設備10%超 + 接待なし飲食店営業許可風俗営業5号許可

まとめ:自己判断は危険!まずは警察署と専門家へ相談を

まとめ:自己判断は危険!まずは警察署と専門家へ相談を

テレビゲーム機やスロットマシンなどを設置するバーの開業は、ただの飲食店開業とは一味違います。
10%ルール」の面積計算や、「接待」の判断など、専門的な知識がなければ正確な判断が難しいポイントがいくつもあります。

「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断で進めてしまい、オープン後に警察立入調査で違反を指摘され、営業停止…なんてことになったら、目も当てられません。
お店の図面ができたら、まずはそれを手に、管轄の警察署へ「事前相談」に行きましょう。
そして、もし少しでも不安を感じたら、私たち行政書士にご相談ください🤝

あなたのやりたいお店が、どの許可届出に該当するのかを正確に判断し、クリアすべき要件をすべて整理して、スムーズな開業までをエスコートします。
安心して、楽しいお店作りに集中してくださいね!