こんにちは!
風営法と国際業務を専門とする鈴鹿行政書士事務所です。
お店の掃除や模様替えをしている時、ふと、いつも掲示してあるはずの風俗営業許可証がないことに気づく…。
「あれ…どこに置いたっけ?」
「まさか、紛失…!?どうしよう!!」
お店の命綱とも言える許可証がないことに気づいた瞬間、血の気が引くような思いをしていませんか?
でも、大丈夫。まずは深呼吸してください。許可証の紛失や破損は、誰にでも起こりうるトラブルです。
大切なのは、パニックにならず、速やかに、そして誠実に正しい手続きを踏むこと。
今回は、そんな「いざという時」のために、風営法の許可証を紛失・破損してしまった場合の「再交付申請(再発行)」について、その全てを解説します!
許可証がない!まず知っておくべき紛失・破損のリスク

なぜ、許可証がないとそんなに大騒ぎする必要があるのでしょうか?それは、許可証がただの紙切れではなく、あなたの営業の「正当性」を証明する唯一無二の公的な書類だからです。
許可証がない状態には、以下のようなリスクが伴います。
- 掲示義務違反:本来、許可証は営業所の見やすい場所に掲示(または保管)しておく義務があります。
- 立入調査で提示できない:警察の立入調査の際に、許可証の提示を求められることがあります。その時に提示できないと、心証が悪くなるだけでなく、無許可営業を疑われるきっかけにもなりかねません。
- 営業の正当性を証明できない:あなたのお店が、厳しい審査をクリアした正規の営業店であることを証明するものが手元にない、という精神的な不安。
これらのリスクを回避するためにも、紛失・破損に気づいたら、一刻も早く再交付の手続きを始めましょう!
許可証の再発行は「再交付申請」という手続き

「許可証の再発行をお願いします」と言いたくなりますが、風営法上の正式な手続き名は「許可証再交付申請」と言います。この手続きの基本情報を押さえておきましょう。
再交付申請はどこで?いつまでに?
- 申請場所:許可を受けた、管轄の警察署の生活安全課
- 申請タイミング:許可証を紛失・破損した事実を認識したら、速やかに申請する必要があります。明確な期限はありませんが、放置は絶対にNGです。
- 申請する人:営業者本人(法人の場合は代表者)または、委任を受けた行政書士などの代理人
風営法許可証の再交付申請、具体的な手続きと必要書類

では、具体的にどんな手続きと書類が必要になるのでしょうか?紛失した場合と、破損した場合で少し異なります。
【ケース別】再交付申請の必要書類リスト
あなたの状況に合わせて、必要なものをチェックしてください。✅
| 必要書類 | 紛失・盗難の場合 | 破損・汚損の場合 | 備考 |
| 許可証再交付申請書 | ● | ● | 警察署の窓口やウェブサイトで入手 |
| 理由書 | ● | △ | 紛失・盗難の経緯を記載 |
| 破損・汚損した許可証 | ● | 破れたり汚れたりした現物を提出 | |
| 手数料 | ● | ● | 1,200円程度(都道府県により異なる) |
| 身分証明書・印鑑 | ● | ● | 申請者の本人確認のため |
【記入例付き】紛失時に必要な「理由書」の書き方
許可証を紛失した場合に提出する「理由書」は、単なる言い訳の文書ではありません。「なぜ紛失し、今後はどう対策するのか」という、あなたの誠実さを示すための重要な書類です。
【理由書の書き方 3つのポイント】
- 正直に、具体的に書く:ごまかさずに、正直な経緯を書きましょう。
- 5W1Hを意識する:「いつ」「どこで」「どのようにして」紛失した可能性が高いかを、時系列で分かりやすく説明します。
- 反省と再発防止策を明記する:「今後は管理を徹底します」という反省の弁と、具体的な対策(例:施錠できる場所に保管する等)を述べます。
- 最後に、もし許可証が出てきた場合には、必ず返納する。という内容が必要です。
【理由書 記入例】
理 由 書
令和〇年〇月〇日
私が許可を受けている下記の風俗営業許可証を、この度、私の不注意により紛失いたしましたので、その経緯を下記のとおりご報告いたします。
1.許可証
許可年月日:令和〇年〇月〇日
許可番号:第〇〇〇〇号
2.紛失の経緯
令和〇年〇月〇日頃、店舗の大掃除を行った際、許可証を一度額から取り外し、事務所の机の上に置きました。その後、他の書類と混ざってしまったものと思われ、店内及び事務所をくまなく探しましたが見当たらず、誤って廃棄してしまった可能性が高いです。
3.今後の対策
今後は、許可証の保管場所を施錠できる特定のキャビネットに定め、二度とこのような事態を招かぬよう、管理を徹底することを固くお誓い申し上げます。
4. 許可証を発見した際には、速やかに返納いたします。
あなたの住所・氏名
○○公安委員会殿
再交付までにかかる期間と、その間の営業について

「申請しても、すぐに許可証はもらえないの?」
「その間、お店は閉めないといけないの?」
という疑問にもお答えします。
- 再交付までにかかる期間:申請からおよそ1週間~2週間程度で、新しい許可証が交付されるのが一般的です。(※警察署の繁忙期などによって前後します)
- 再交付申請中の営業:営業を続けることは可能です。ただし、万が一立入調査があった場合に備え、警察署に再交付申請中である旨を伝え、申請書の控えなどを保管しておくとより安心です。
再交付後の注意点!古い許可証が見つかったら?
もし、再交付を受けた後に、紛失したと思っていた古い許可証がひょっこり出てきたら…?
その場合は、速やかに古い方の許可証を警察署に返納する義務があります。2枚の有効な許可証が存在することは認められません。
まとめ:紛失はパニックにならず、速やか・誠実な対応を

風営法の許可証は、あなたのビジネスの心臓部です。その紛失に気づいた時の焦りは、計り知れません。
しかし、大切なのは、その後の行動です。パニックにならず、正直に、そして速やかに再交付申請を行うこと。
その誠実な態度が、あなたの信頼を守ります。
「警察署に行くのが不安…」「理由書の書き方がわからない…」
そんな時は、どうぞ私たち行政書士を頼ってください。あなたの代理人として、面倒な手続きをすべて代行し、あなたの不安を取り除きます。いざという時こそ、専門家の力を活用してくださいね。