こんにちは!
風営法と国際業務を専門とする鈴鹿行政書士事務所です。
風俗営業許可の申請準備、お疲れ様です!書類集めを進める中で、多くの方がこう思っているのではないでしょうか?
「風営法の申請で、一番大変そうなのが図面の作成…」
「専門的なCADソフトなんて持ってないし、使えないよ…」
「パソコンも苦手だし、もっと簡単な書き方はないの?」
そのお悩み、よーく分かります!平面図や求積図と聞くだけで、なんだか難しそうに感じますよね。
でも、ご安心ください!結論から言うと、高価なCADソフトがなくても、風営法の申請図面を作成することは可能です!
今回は、「CADがなくてもOK」をテーマに、専門的なソフトを使わずに営業所の図面を描くための簡単な書き方と、その具体的なステップを、私たちプロの目線から徹底的に解説していきます!
有料CADなしで図面を描く3つの選択肢

まず、有料CADを使わずに図面を作成するには、主に3つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを見て、自分に合った方法を探してみましょう。
| 作成方法 | 費用 | 手軽さ | 正確性 | 修正の容易さ |
| ① 手書き | ◎ (道具代のみ) | 〇 (誰でも始められる) | △ (技術が必要) | × (修正が大変) |
| ② Excel/PowerPoint | 〇 (ソフトがあれば) | 〇 (PC操作に慣れていれば) | △ (縮尺が難しい) | 〇 (修正は楽) |
| ③ 無料CADソフト | ◎ (無料) | △ (操作習得に時間) | ◎ (正確に描ける) | ◎ (修正は楽) |
Excelや無料CADも選択肢ですが、今回は最も手軽に始められる「手書き」にフォーカスして、具体的な書き方をステップバイステップでご紹介します!
【実践編】手書きで平面図・求積図を作成する5ステップ

「よし、手書きで挑戦してみよう!」と決めたあなたへ。ここからは、警察署に受理されるレベルの図面を描くための具体的な手順です。
ステップ①:道具を揃えよう!「三角スケール」が必須
まずは道具の準備から。以下のものを揃えましょう。
- A3サイズの方眼紙:大きい方が描きやすいです。
- 三角スケール(サンスケ):これが最重要アイテム!1/50、1/100など、決まった縮尺で簡単に線を引ける特殊な定規です。文房具店や通販で1,000円程度で購入できます。
- シャープペンシル(0.3mmなど細い芯):下書き用です。
- 細いボールペン(0.3mmなど):清書用です。
- 消しゴム、電卓
ステップ②:お店を正確に測量しよう(現地調査)
図面の命は「正確な寸法」です。メジャー(5m以上のコンベックスがおすすめ)を持って、お店の隅々まで測量します。
- 壁から壁までの距離
- 柱の位置と太さ
- ドアや窓の位置と幅
ステップ③:方眼紙に下書きをしよう(平面図の作成)
いよいよ図面を描いていきます。
- 縮尺を決める:お店の大きさに合わせ、三角スケールを使って「1/50」など、A3用紙に収まる縮尺を決めます。
- 壁・柱を描く:まずはお店の「骨格」となる壁や柱を、測量した寸法通りに描いていきます。
- 設備を描き込む:次に、テーブル、イス、ソファ、カウンター、厨房機器、トイレなどを配置します。
- 凡例(はんれい)を記載:図面の隅に、「□=テーブル」「○=イス」のように、図形が何を示しているかの説明を必ず書きましょう。
ステップ④:面積を計算しよう(求積図の作成)
ここが最大の難関、「求積」です。客室などの面積を計算します。
- 壁芯(へきしん)で計算する:風営法では、壁の厚みの中心線(壁芯)で囲まれた面積で計算する必要があります。部屋の内側の寸法ではないので要注意!(営業所面積の場合)
- 部屋を四角形に分割する:複雑な形の部屋は、計算しやすいように複数の四角形に分割します。
- 計算式を必ず記載する:図面の余白に、「3.50m × 4.20m = 14.70㎡」のように、どの部分をどう計算したかが分かるように、計算式をすべて書き残します。
ステップ⑤:ボールペンで清書しよう
下書きが完成したら、細いボールペンと定規を使って、丁寧に清書していきます。ここで失敗すると、また一から描き直しになるので、集中して行いましょう!
手書き図面で指摘されないための重要ポイント

せっかく描いた図面が「これではダメです」と突き返されないために、以下のポイントを必ず守ってください。
✅ 寸法はすべてm(メートル)単位で記入する(例:3.56m)
✅ ソファや机などは、高さも併記する(例:H=0.85m
✅ 照明や音響設備の位置も記号で示す
なぜプロはCADを使うのか?

ここまで読んで、「手書きでも結構大変だな…」と思ったかもしれません。ではなぜ、私たち行政書士はCADを使うのでしょうか?
それは、圧倒的な「正確性」と「修正の容易さ」にあります。
手書きの場合、警察署から「ここの寸法が違いますね」と一箇所でも指摘されると、すべてを消して描き直すか、最悪の場合、また新しい紙にゼロから作成し直す必要があります。
CADなら、パソコン上で数値を入力するだけで、即座に修正が完了します。この時間の差が、開業までのスピードに大きく影響するのです。
まとめ:自分で描く覚悟と時間がないなら、専門家への依頼が近道

CADがなくても風営法の図面は描けます。しかし、そのためには、正しい知識を学び、多くの時間を費やし、細かい作業を厭わない「覚悟」が必要です。
開業準備で忙しいあなたが、慣れない図面作成に何十時間も費やすことは、本当に得策でしょうか?
その時間を、メニュー開発やスタッフ教育など、経営者として本当にやるべきことに使った方が、ビジネスの成功にはるかに近づくはずです。
面倒で専門的な図面作成は、私たちプロに任せてしまうのも、賢い経営判断の一つです🤝
「やっぱり自分では無理かも…」と感じたら、いつでもお気軽にご相談ください。あなたの貴重な時間を守り、スムーズな店舗開業を全力でサポートします!