こんにちは!
風営法と国際業務を専門とする鈴鹿行政書士事務所です。
風俗営業許可の申請書類を無事に提出し、ホッと一息ついている頃でしょうか。
しかし、本当の山場はこれからやってきます。それが、風営法の許可プロセスにおける最重要関門、「実査(じっさ)」です。
「実査って何?なんだか物々しい響き…」
「警察の現地調査って、具体的に何をチェックされるの?」
「もし、何か不備があったらどうしよう…」
申請者様が最も緊張し、不安に感じるのがこの実査です。でも、ご安心ください!事前に「いつ・誰が・何を」チェックするのかを知っておけば、何も怖くありません。
今回は、この風営法の実査について、その全貌と、警察が必ず見る9つのチェックポイントを徹底的に解説します!
そもそも風営法の「実査(構造検査)」とは?

実査とは、一言でいえば「申請書通りにお店が作られているかの答え合わせ」です。
風俗営業許可申請の際に提出した図面などの書類と、実際のお店の状況が寸分たがわず一致しているか、警察署の担当者が直接お店に足を運んで確認する調査のことを指します。
実査はいつ、誰が来るの?
- タイミング:申請書を警察署に提出してから、およそ2週間~1ヶ月後くらいが一般的です。突然来ることはなく、日程調整の上行われます。
- 調査に来る人:管轄の警察署の生活安全課(風俗担当)の職員と、地域の風俗環境を守る「風俗環境浄化協会(浄化協会)」の担当者が、2~3名で来ることが多いです。
- 立ち会う人:申請者本人、またはお店の管理者が必ず立ち会う必要があります。もちろん、私たちのような行政書士に依頼している場合は、私たちが一緒に立ち会いますのでご安心ください。🤝
【最重要】警察が必ずチェックする9つのポイントリスト

さあ、いよいよ本題です。実査当日、担当者はメジャーや照度計(明るさを測る機械)を手に、以下のポイントを厳しくチェックしていきます。事前にしっかり対策しておきましょう!
✅ 1. 営業所の入口
まずお店の外からチェックが始まります。「18歳未満立ち入り禁止」、「20歳未満の者への酒類提供をしない」旨の表示や「営業所名」を記載したプレートが、入口の見やすい場所にきちんと掲示されているかを確認されます。
✅ 2. 客室の面積
実査で最も重要なチェック項目の一つです。担当者はレーザー距離計やメジャーを取り出し、申請図面に記載した客室の面積と、実際の面積が一致しているかを実測します。
✅ 3. 客室の内部構造(見通し)
客室の「見通し」が妨げられていないかは、厳しくチェックされます。
具体的には、
- 高さ1メートル以上のつい立て、パーテーション、観葉植物などがないか?
- 背もたれの高いソファなどで、客席が見えにくくなっていないか?
を細かく見られます。良かれと思って置いたおしゃれなインテリアが、指摘の対象になることもあるので注意が必要です。
✅ 4. 客室の扉
1号営業(キャバクラ、スナック等)の場合、客室に鍵がついていてはいけません。密室状態になるのを防ぐためです。担当者は、実際にドアノブを回して施錠設備がないかを確認します。
✅ 5. 照明設備(明るさ)
担当者が「照度計」を取り出し、店内の明るさを計測します。風俗営業許可では、客室の明るさが5ルクスを超えていなければなりません。5ルクスは、映画館の上映直前の明るさ程度。これより暗いと指摘を受けます。
✅ 6. 調光器(スライダックス)
店内をおしゃれに演出する調光器。しかし、これを自由に操作して5ルクス以下にできてしまうとNGです。もし設置している場合は、「一番暗くしても5ルクス以下にならないよう固定されているか」などがチェックされます。
✅ 7. 音響設備
カラオケやスピーカー、などの位置が、申請図面通りに設置されているかを確認します。また、実際に音を出して、外部に音が漏れていないか(防音対策)をチェックされることもあります。🎵
✅ 8. 厨房設備
飲食を提供するお店の場合、シンクやコンロ、冷蔵庫などが図面通りに配置されているかを確認します。
✅ 9. 善良な風俗を害する装飾等
過度に性的なポスターや写真、装飾品などが店内にないかもチェックの対象です。お店のコンセプトも大切ですが、風紀を乱すと判断されるものは撤去を求められます。
もし実査で指摘を受けたら?失敗しないための対策

「もし、何か不備を指摘されたら、もう許可は下りないの…?」
そんなことはありません。指摘の内容によりますが、ほとんどの場合は改善のチャンスが与えられます。
| 指摘のレベル | 具体例 | 対応方法 |
| 軽微な指摘 | 観葉植物が高すぎる、ポスターが不適切 | その場で撤去・改善を約束し、後日写真で報告すればOKなことが多い。 |
| 重大な指摘 | 客室面積が足りない、壁の位置が図面と違う、施錠設備がある | 内装工事のやり直しが必要になるケースも。最悪、申請取下げや不許可につながる。 |
実査で失敗しないための黄金ルール
このような事態を避けるために、絶対に守るべきルールがあります。
- ルール①:内装工事は、申請した図面通りに完璧に仕上げる!
これが大原則です。工事の途中で「こっちの壁の方がいいな」などと勝手に変更してはいけません。 - ルール②:内装工事が100%完了してから、申請書を提出する!
工事が終わっていないのに申請する「フライング申請」は、実査で不整合が発覚する元凶です。絶対にやめましょう。
まとめ:実査は準備が9割!不安なら行政書士の立会いを

風営法の実査は、抜き打ちテストではなく、事前に答え(=申請図面)が分かっている確認作業です。今回ご紹介した9つのチェックポイントを元に、事前にしっかりと準備・確認しておけば、何も恐れることはありません。
しかし、
「当日は緊張して、うまく受け答えできる自信がない…」
「そもそも、正確な図面作成と、その通りの内装工事を管理するのが大変…」
と感じる方も多いでしょう。
そんな時は、行政書士に実査の立会いを依頼するのが最も確実で安心な方法です。
私たちは、警察がどこをどう見るかを熟知しています。実査当日は、あなたの代わりに専門家として堂々と対応し、万が一の指摘にも的確に対処します。
申請準備から実査の立会いまで、あなたの店舗開業をワンストップでサポートする。
それが私たち行政書士の役目です。
最高のスタートを切るために、ぜひ私たちプロの力を頼ってくださいね!