こんにちは!
風営法と国際業務を専門とする鈴鹿行政書士事務所です。
新しいお店のオープンに向けて、夢と希望に胸を膨らませている経営者の皆様!その情熱、素晴らしいですね!
さて、開業準備を進める中で「風営法」という言葉を耳にした方も多いかと思います。
「風営法って、夜のお店のことでしょ?」
「うちみたいなゲームセンターも関係あるの?」
そうなんです!実は「風俗営業」と一言でいっても、その種類は多岐にわたり、キャバクラのような社交飲食店だけでなく、麻雀店やゲームセンターなども風営法の規制対象に含まれるのです。
自分が始めようとしているお店が、どの許可に該当するのかを正しく理解しないまま進めてしまうと、後で「許可の種類が違った…!」なんてことになりかねません。
そこで今回は、風俗営業許可の種類である1号営業から5号営業まで、その全体像をどこよりも分かりやすく解説します!
この記事を読めば、あなたの店に必要な許可がきっと見つかりますよ。
そもそも「風俗営業」とは?許可が必要な営業の全体像

風営法(正式名称:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)では、善良な風俗環境を守るために、いくつかの営業形態を定めて規制しています。
その中で、都道府県の公安委員会(窓口は警察署)から「許可」を得なければ営業できないのが「風俗営業」です。
この「風俗営業」は、法律で大きく分けて8つの種類に分類されています。さっそく、ひとつずつ見ていきましょう!
接待を伴う飲食店の許可|風俗営業1号~3号

まずご紹介するのは、お客様に飲食や場所を提供し、楽しんでもらうタイプの営業形態です。特に「接待」がキーワードになるのが1号営業です。
1号営業:社交飲食店、料理店
これが、いわゆる「夜のお店」の代表格で、最も相談が多い許可の種類です。
- 具体例:キャバクラ、ホストクラブ、スナック、ラウンジ、料亭など 🍸💃
- 営業内容:「接待」をして、お客さんに飲食させる営業を指します。
ここで一番重要なのが「接待」の定義です。風営法における接待とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」とされており、具体的には以下のような行為が該当します。
- 特定のお客様の隣に座って、継続的にお酌をしたり、談笑したりする。
- お客様と一緒にデュエットで歌ったり、ダンスをしたりする。
- 特定の客とダーツやゲームなどを一緒に行い、盛り上げる。
カウンター越しにお酒を提供するだけのオーセンティックなバーや、店員が料理やお酒を提供するだけのような居酒屋は「接待」にはあたりません。
この「接待」の有無が、1号営業の許可が必要かどうかの大きな分かれ目になります。
2号営業:低照度飲食店
これは、少し特殊な営業許可です。
- 具体例:店内の照明をかなり暗くして営業しているバーやカップル喫茶など。(現代では該当するお店は少なくなっています)
- 営業内容:客席の照度を10ルクス以下に落として飲食させる営業です。
「10ルクス」と言われてもピンとこないかもしれませんが、映画館の上映前の明るさくらいをイメージしてください。
3号営業:区画席飲食店
こちらも飲食を提供する場所に関する許可です。
- 具体例:ネットカフェ、相席BAR、連れ込み喫茶など。
- 営業内容:広さが5平方メートル以下の他から見通すことが困難な客席を設けて、飲食させる営業です。
プライベート空間が確保された小さな個室でお客様にサービスを提供するお店がこれにあたります。
遊技を提供するお店の許可|風俗営業4号~5号

次に、パチンコやゲームなど、お客様に「遊び(遊技)」を提供する営業形態のグループです。
4号営業:マージャン店、ぱちんこ店等
この種類はイメージしやすいかもしれませんね。
- 具体例:麻雀店 🀄、パチンコ店、パチスロ店
- 営業内容:麻雀やパチンコなどの遊技設備でお客さんに遊技させる営業です。
もちろん、お金を賭ける行為(賭博)は刑法で固く禁じられていますので、絶対に行わないようにしましょう。
5号営業:ゲームセンター等
ショッピングモールなどでもおなじみのお店です。
- 具体例:ゲームセンター 🎰🕹️
- 営業内容:スロットマシンやテレビゲーム機など、本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗です。
ただし、お店全体の床面積の10%を超えない範囲にゲーム機を設置する場合は、この許可は不要とされています。
そのため、ショッピングモールなどのの片隅にゲーム機を数台置く程度であれば、5号営業の許可はいりません。
【一覧表で確認】風俗営業許可の種類と代表的な店舗

ここまで解説した風俗営業の種類を、一目でわかる一覧表にまとめました。あなたの計画しているお店がどれに当てはまるか、チェックしてみてください!
| 号名(種類) | 営業内容の概要 | 店舗の具体例 |
| 1号営業 | 接待を伴う飲食の提供 | キャバクラ、ホストクラブ、スナック、ラウンジ |
| 2号営業 | 照度10ルクス以下での飲食の提供 | 暗いバー、カップル喫茶 |
| 3号営業 | 5㎡以下の区画席での飲食の提供 | ネットカフェ、相席BAR |
| 4号営業 | 麻雀、パチンコ等の遊技 | 麻雀店、パチンコ店 |
| 5号営業 | 賞品提供のないゲーム機での遊技 | ゲームセンター |
自分の店がどの種類か分からない…そんな時の対処法

「うちはガールズバーなんだけど、1号営業は必要?」
「コンカフェ(コンセプトカフェ)を始めたいけど、許可はいるの?」
このように、営業形態が多様化する中で、どの許可が必要か判断に迷う「グレーゾーン」なケースが増えています。
グレーゾーンな営業形態に注意
ガールズバーやコンカフェ、シーシャバーなどは、その営業の実態によって判断が分かれます。
カウンター越しのサービスが基本でも、特定の店員がお客様の隣に移動して長時間話し込んだりすれば、それは「接待」とみなされ、無許可営業となるリスクがあります。
無許可営業の罰則は非常に重く、「5年以下の拘禁または1千万以下の罰金(またはその両方)、法人の場合3億円以下の罰金」が科され、さらにその後5年間は許可が取れなくなってしまいます。
迷ったら専門家(行政書士)に相談を!
安易な自己判断は、あなたのビジネスにとって最大のリスクです。許可の種類を間違えて申請してしまうと、時間も費用もすべて無駄になってしまいます。
そうなる前に、ぜひ一度、私たちのような風営法の専門家にご相談ください。🤝
あなたの事業計画を丁寧にお伺いし、どの許可が必要か、あるいは許可が不要な「深夜酒類提供飲食店営業届出」で対応できるのかなど、法的な観点から最適な道筋をご提案します。
正しい許可の取得は、お客様と従業員を守り、あなたが安心してビジネスを続けるための最初の、そして最も重要な一歩です。
あなたの開業準備がスムーズに進むよう、全力でサポートさせていただきます!