こんにちは!風営法と国際業務のエキスパート、鈴鹿行政書士事務所です。
「これから自分のお店を持ちたい!」「スナックやバーを開業する予定だけど、どんな許可が必要なの?」そんな夢と希望に満ちた皆さまから、よくご相談をいただきます。
特に多いのが、「私の店は『風俗営業』なの?それとも『深夜営業』?違いがよくわからない…」というお悩みです。
この二つ、名前は似ていますが、法律上の扱いは全くの別物なんです。
間違った手続きをしてしまうと、最悪の場合、営業停止や罰則といった重いペナルティが科されることも…😱
でも、ご安心ください!この記事を読めば、あなたの店に必要な手続きがバッチリわかります。
まずは簡単な「診断チャート」で、ご自身の状況を確認してみましょう!
まずはココから!あなたの店に必要な手続き診断チャート

いくつかの簡単な質問に「はい」か「いいえ」で答えるだけで、あなたの店がどの手続きに該当する可能性が高いか分かります。
さっそくチャレンジしてみましょう!✍️
【スタート】私の店は『風俗営業』なの?それとも『深夜営業』?
質問1:深夜0時を過ぎても、お酒を提供してお客さんに店内で飲んでもらう予定ですか?🍸
- はい → 質問2へ
- いいえ → 質問3へ
質問2:お客さんの隣に座ったり、特定のお客さんと長く話し込んだり、お酌をしたり、カラオケのデュエットを勧めたりするような「接待」をしますか?💃
- はい → 【結果C】 をご覧ください
- いいえ → 【結果B】 をご覧ください
質問3:お客さんの隣に座ったり、特定のお客さんと長く話し込んだり、お酌をしたり、カラオケのデュエットを勧めたりするような「接待」をしますか?👩❤️👨
- はい → 【結果A】 をご覧ください
- いいえ → 【結果D】 をご覧ください
【診断結果】私の店は『風俗営業』なの?それとも『深夜営業』?
- A:風俗営業許可 が必要です!
- 接待行為を行うけれど、深夜0時以降の営業はしないお店ですね。この場合、風俗営業許可(1号営業)の取得が必要です。典型的なスナックやラウンジ、キャバクラがこれに該当します。
- B:深夜酒類提供飲食店営業の届出 が必要です!
- 深夜0時以降もお酒を提供しますが、接待は一切行わないお店ですね。ガールズバーやショットバーなどがこれにあたります。この場合は、警察署へ深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。
- C:その営業形態は原則として認められません!
- 接待も行い、なおかつ深夜0時以降も営業する…というのは、風営法上、原則として両立できません。どちらかの営業スタイルに絞る必要があります。無許可営業にならないよう、専門家への相談を強くお勧めします。
- D:飲食店営業許可 のみでOKな可能性が高いです!
- 接待もなく、深夜0時以降の営業もしないカフェやレストラン、居酒屋ですね。この場合は、保健所からの飲食店営業許可だけで営業できます。
さあ、あなたの店はどのタイプでしたか?ここからは、それぞれの違いや手続きについて、もっと詳しく見ていきましょう!
【徹底比較】風俗営業と深夜営業の大きな違いとは?
診断チャートでなんとなく分かったけれど、「そもそも何がどう違うの?」という疑問をスッキリ解決します。この2つの最大の違いは「接待行為の有無」と「営業できる時間」です。
接待行為の有無が最大の分かれ道
「接待」というと、少し曖昧に聞こえますよね。法律(風営法)では、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義されています。
具体的には、こんな行為が「接待」にあたります。
- 特定のお客さんの隣に座って、継続的にお酌をしたり、お話の相手をする 👩❤️👨
- カラオケでお客さんとデュエットをしたり、手拍子や合いの手を入れたりする 🎵
- ダーツやゲームなどをお客さんと一緒に行い、楽しませる 🎰
一方で、カウンター越しにお客さんの注文に応じてお酒を作る。などの行為であれば、通常は「接待」とは見なされません。この「接待」をするかどうかが、風俗営業許可が必要かどうかの大きな分かれ道になるんです。
営業できる時間帯の違い
次に大きな違いが、営業できる時間です。
- 風俗営業許可のお店:原則として、深夜0時(一部の地域では深夜1時)から日の出までは営業できません 。
- 深夜営業届出のお店:営業時間の制限はありません。24時間営業も可能です。
つまり、「接待をしたいなら深夜営業は諦める」「深夜営業をしたいなら接待は諦める」という選択が必要になるわけですね。
手続きの種類と難易度の違い
手続き面でも大きな違いがあります。比較表で見てみましょう。
項目 | 風俗営業許可 | 深夜酒類提供飲食店営業届出 |
手続きの種類 | 許可 (風営法により決定) | 届出 (要件を満たせば受理) |
根拠法 | 風営法 | 風営法 |
管轄 | 各都道府県の公安委員会 | 各都道府県の公安委員会 |
難易度 | 高い 📄 | 許可に比べ書類は少なめ📝 |
審査期間 | 約55日(標準処理期間) | 約10日 |
必要な要件 | 人的要件・場所的要件等多数 | 場所的要件構造的要件 ⑦が主 |
深夜営業 | 不可 🚫 | 可能 ✅ |
接待行為 | 可能 ✅ | 不可 🚫 |
手数料 | 約24,000円(都道府県による) | 不要 |
このように、風俗営業許可は「許可」なので、申請すれば必ず通るわけではなく、お店の場所や構造、申請者の経歴(人的欠格事由)などが厳しく審査されます。一方、深夜営業届出は「届出」なので、書類に不備がなく要件を満たしていれば、原則として受理されます。
ケース別!スナック・バーの許可/届出の種類を解説
「理屈はわかったけど、結局私の店はどっち?」という方のために、具体的な業態別に必要な手続きを解説します。スナックやバーの開業を考えている方は必見です!
ケース1:深夜0時以降も営業するガールズバー
カウンター越しに飲み物を提供するなど、特定の客に対する接待行為がない場合。
この場合は、深夜0時以降にお酒を提供するので、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。もし、女の子がお客さんの隣に座ってしまったら、それはもうガールズバーではなく、風俗営業の世界に入ってしまいます。
ケース2:ママがお客さんとデュエットする昔ながらのスナック
いわゆる「ママがいるスナック」で、お客さんと一緒にカラオケを歌ったり、お酌をして回ったりする場合。
これは明確な「接待」にあたるため、風俗営業許可(1号営業)が必要です。そのため、営業は深夜0時(または1時)までとなります。
ケース3:お酒メインで食事も提供するダイニングバー
深夜帯も営業し、お酒や食事を提供。スタッフはお酒を作るのがメインで、特定の客への接待は行わない場合。
この場合は、深夜酒類提供飲食店営業の届出をすればOKです。飲食店経営の延長線上にあるイメージですね。
ケース4:深夜営業なしのコンカフェ(コンセプトカフェ)
メイドさんや特定のキャラクターに扮した店員さんが接客するコンカフェ。これも扱いが難しい業態です。カウンター越しに注文を聞くだけなら飲食店営業ですが、「ご主人様」とお呼びしてゲームをするなど、「接待」とみなされる行為があれば風俗営業許可が必要です。深夜営業をしないのであれば、風俗営業許可だけでOKです。
風俗営業・深夜営業の手続きでよくある質問(Q&A)
最後に、店舗経営を目指す皆さまからよくいただく質問にお答えします。
質問1:無許可営業のリスクは?
無許可営業は絶対にやめましょう。風営法違反には重い罰則があります。
- 風俗営業の無許可営業:個人-5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金(または両方)
法人-3億円以下の罰金
- 深夜営業の無届営業:50万円以下の罰金
罰則だけでなく、営業停止命令を受けることもあります。
質問2:両方の許可を取ることはできますか?
残念ながら、原則としてできません。先ほど説明した通り、風俗営業許可を取ると深夜の営業ができなくなり、深夜営業届出をすると接待ができなくなるため、1つのお店で両方の営業形態を同時に行うことは不可能なのです。(営業を厳密に区別すれば受理される場合もある)
質問3:手続きは自分でもできますか?
はい、ご自身で手続きを行うことも可能です。しかし、特に風俗営業許可は、提出書類が非常に多く複雑です。図面の作成には専門的な知識が必要ですし、公安委員会や警察署との折衝も発生します。
時間と手間を考えると、最初から専門家である行政書士に手続き代行を依頼するのが最も確実でスピーディーな道と言えるでしょう。
行政書士に依頼するメリット
- 風俗営業 許可 費用:自分でやる手間や時間を考えれば、代行費用は決して高くない投資です。
- 深夜営業 届出 代行:書類作成や警察署への提出を任せることで、開業準備に専念できます。
- 行政書士 相談 無料:多くの事務所では初回相談を無料で行っています。まずは話を聞いてみるのがおすすめです。
まとめ:正しい手続きで、安心の店舗経営をスタートさせましょう!
今回は、風俗営業と深夜営業の違いや、スナック・バーなどの許可の種類について、診断チャートを交えて解説しました。
- 接待するなら「風俗営業許可」 → 深夜営業はNG 🚫
- 深夜営業するなら「深夜営業届出」 → 接待はNG 🚫
この大原則をしっかり覚えておいてくださいね。
あなたの理想のお店をスムーズにオープンさせるためには、最初の法的手続きが肝心です 🔑。
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