バーや居酒屋などが、深夜0時から翌日の午前6時までの間に、主食以外の酒類を提供する営業を行う際に、警察署へ事前に届け出る手続きのことです。

バー、居酒屋、スナック、ダーツバーなど、お酒の提供がメインで深夜0時以降も営業するほとんどの飲食店が対象です。

ラーメン店や牛丼店など、食事の提供がメインのお店を指します。食事メインのお店は、深夜にお酒を出していてもこの届出は不要です。お酒がメインか食事がメインかで判断されます。

「接待」や「遊興」をさせるかどうかが決定的な違いです。深夜営業のお店で、店員がお客さんの隣に座ってお酌をする（接待）や、DJが客を踊らせる（遊興）といった行為をすると、風俗営業許可が必要となり、無許可営業で摘発されます。

風俗営業許可は警察の裁量で許可・不許可が決まりますが、この届出は法律で定められた要件を満たしていれば、原則として受理される手続きだからです。

お店の所在地を管轄する警察署の生活安全課です。

深夜営業を開始する日の10日前までに届け出る必要があります。

無届営業となり、罰則（罰金など）の対象となります。また、警察から営業停止命令が出されることもあります。

いいえ、できません。都市計画法で定められた「用途地域」によって、営業できる場所が制限されています。

商業地域、近隣商業地域、工業地域などでは原則営業できますが、「住居専用地域」では営業できません。住居系の地域は厳しく制限されています。

風俗営業許可とは異なり、深夜酒類提供飲食店営業には、法律上の明確な距離制限はありません。ただし、騒音問題などを理由に警察から指導を受ける可能性はあります。

はい。客室内の照度は20ルクスを超えている必要があります。風俗営業（10ルクス）よりも明るい基準なので注意が必要です。

設置は可能ですが、明るさを20ルクス以下にできないように改造（止めネジなど）する必要があります。

はい。客室の内部を見通すことが困難とならないように、高さ1メートル以上のつい立などを設置することは原則として禁止されています。

客室の見通しを妨げるため、原則として認められません。設置する場合は、警察署との事前協議が必須です。

はい。深夜に営業するため、周辺に騒音や振動で迷惑をかけないよう、条例の基準をクリアする防音設備が求められます。

はい、設置は可能です。ただし、店員がお客さんと一緒にデュエットしたり、対戦したりすると「接待」や「遊興」とみなされる可能性があるので、注意が必要です。

届出書、営業の方法を記載した書類、住民票、お店の賃貸借契約書、そして専門的な各種図面（平面図、求積図、照明音響設備図など）が必要です。

はい、必須です。保健所から交付された飲食店営業許可証のコピーを添付します。この許可がないと深夜営業の届出はできません。

非常に困難です。警察が求める基準に沿った専門的な図面（照明・音響設備の配置など）が必要なため、通常は行政書士に依頼します。

警察署への手数料はかかりません。

届出が受理され、届出日から10日が経過すれば深夜営業を開始できます。ただし、警察の現地確認が行われることもあります。

いいえ。風営法で定められた欠格事由（特定の犯罪歴、未成年、暴力団関係者など）に該当する人は営業者になることができません。

歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことです。特定の客の隣に座ってお酌をしたり、長時間おしゃべりしたり、カラオケでデュエットしたりする行為が典型例です。

通常の接客の範囲内であれば問題ありません。しかし、特定の客とだけ長時間話し込んだり、個人的な連絡先を交換したりすると、接待とみなされる可能性があります。

店側が積極的に、不特定多数の客を楽しませるために働きかける行為です。DJが客を踊らせる、スポーツ観戦で店員がマイクを持って応援を先導する、などの行為が該当します。

はい。客が勝手に観戦して盛り上がる分には問題ありません。しかし、店員が応援を煽ったり、実況を始めたりすると「遊興」とみなされる可能性があります。

風俗営業1号許可（接待飲食店）や特定遊興飲食店営業許可を別途取得する必要があります。これらの許可は「届出」よりもはるかに厳しい要件が課されます。

各都道府県の青少年健全育成条例により、深夜（通常は午後11時～午前4時）に18歳未満の者を立ち入らせることは禁止されています。

労働基準法により、原則として深夜（午後10時～午前5時）に18歳未満の者を働かせることはできません。

はい。営業時間中に警察官が訪れて、無許可で接待や遊興が行われていないか、照度は基準を満たしているか、などを確認する立入検査が抜き打ちで行われることがあります。

はい。提供する酒類や料理の種類を記載したメニューのコピーを提出する必要があります。

「変更届」を警察署に提出する必要があります。

はい。客室の面積や配置など、届出内容に関わる重要な変更の場合は、事前に「変更届」を提出する必要があります。

廃業日から10日以内に、警察署へ「廃止届」を提出する必要があります。

基本的な流れは同じですが、法人の場合は登記簿謄本や定款のコピー、役員全員の住民票など、追加の書類が必要になります。

はい。在留資格に活動制限がなく（「経営・管理」や「日本人の配偶者等」など）、欠格事由に該当しなければ可能です。

図面の作成や書類の収集に時間がかかるため、1ヶ月程度の準備期間を見ておくと安心です。

はい。内装工事の前に図面を持って警察署に相談に行くことで、構造上の要件を満たしているかを確認でき、手戻りを防げます。

カウンター越しでの接客がメインで「接待」にあたらないと判断されれば、この届出で営業可能です。しかし、カウンターから出て客の隣に座るなどの行為があれば、風俗営業許可が必要です。

深夜0時以降にお酒を提供する場合は対象となります。ただし、店員とのゲームや特定のサービスが「接待」とみなされる場合は、風俗営業許可が必要になるので注意が必要です。

はい。深夜0時以降にお酒を提供し、食事がメインでなければ届出が必要です。

いいえ。風俗営業許可とは異なり、原則として証明書のようなものは交付されません。届出書の控えが、届出を行った証明となります。

はい。従業員の氏名、住所、生年月日などを記載した名簿を作成し、営業所に備え付けておく義務があります。

深夜にお酒を提供する営業は、酔客によるトラブルや騒音問題、風紀の乱れなどが起きやすいため、風営法によって一定のルールを定め、地域の安全と良好な環境を守るために規制されています。

根拠となる風営法は全国共通ですが、用途地域の制限や騒音規制など、具体的な運用は各都道府県の条例によって細かく定められている場合があります。

いいえ、引き継げません。営業者が変わる場合は、必ず新規でご自身の名前で届け出る必要があります。

複雑な要件の確認、専門的な図面の作成、警察署との折衝などを代行してくれるため、スムーズかつ確実に手続きを進められます。知らないうちに法律違反を犯すリスクを減らせます。