こんにちは!
風営法と国際業務を専門とする鈴鹿行政書士事務所です。
いよいよ自分のお店を持つぞ!と意気込んで開業準備を進めている経営者の皆様、本当にお疲れ様です!🍸
ところで、お店の営業許可について、こんな疑問をお持ちではありませんか?
「スナックを開きたいんだけど、保健所の許可と警察署の許可、両方いるの?」
「飲食店営業許可と風営法許可って、どっちを先に取ればいいの?」
そうなんです。特に、お酒を提供する社交飲食店(スナック、キャバクラなど)を開業する場合、この2つの許可・届出は避けて通れない道。そして、この申請順番を間違えると、最悪の場合、開業が大幅に遅れてしまうという恐ろしい事態になりかねません…😱
そこで今回は、「飲食店営業許可」と「風営法許可」、この2つの関係性と、絶対に間違えてはいけない順番について、世界一わかりやすく解説していきます!
そもそも「飲食店営業許可」と「風営法許可」は全くの別物!

まず大前提として、この2つの許可は、目的も管轄(手続きする役所)も全く異なります。ごちゃ混ぜに考えてしまうと混乱の元なので、ここでしっかり区別しておきましょう。
保健所が管轄する「飲食店営業許可」とは?
これは、飲食物をお客様に提供するすべての店舗開業において、”必ず”必要になる許可です。
- 目的:食中毒などを防ぎ、食の安全・衛生を守ること。
- 管轄:お店の所在地を管轄する保健所 🏢
- ポイント:レストラン、カフェ、ラーメン屋はもちろん、バー開業やスナック開業であっても、お客様に飲み物や食べ物を出すなら必須です。これがなければ、そもそも飲食店として営業をスタートできません。いわば「飲食店のスタートライン」です。
警察署が管轄する「風営法許可」とは?
こちらは、特定の営業形態のお店にのみ、追加で必要となる許可です。
- 目的:善良な風俗と清浄な風俗環境を保持し、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止すること。
- 管轄:お店の所在地を管轄する警察署 👮
- ポイント:「接待」行為(お客様の隣に座ってお酌をしたり、歓談したりする行為)を伴う営業(例:キャバクラ、ホストクラブ、スナックなど)をする場合に必要となります。
この2つの違いを、表で見てみましょう。
項目 | 飲食店営業許可 | 風俗営業許可(1号営業) |
目的 | 飲食の衛生・安全確保 | 風俗環境の保持 |
管轄 | 保健所 | 警察署 |
法律 | 食品衛生法 | 風営法 |
対象 | 飲食物を提供する全店舗 | 「接待」を行う店舗 |
位置づけ | すべての飲食店の土台 | 特定の営業形態に必須の追加許可 |
【結論】風営法許可と飲食店営業許可、申請の正しい順番

さて、本題です。2つの許可を取る正しい順番は…
【ステップ①】保健所の「飲食店営業許可」を取得する
【ステップ②】警察署の「風営法許可」を申請する
この順番が絶対です!✅
なぜなら、風営法許可の申請には、「飲食店営業許可証の写し」が必須の提出書類となっているからです。
つまり、飲食店営業許可がなければ、風営法許可の申請手続きをスタートすることすらできないのです。
飲食店営業許可から風営法許可までの具体的な流れ
お店の開業手続きをスムーズに進めるための、具体的なフローを確認しましょう。
- 店舗の内装工事🛠️
- この段階で店舗内装すべてが完成している必要はありません。調理場、トイレ、更衣室が完成していればOKです。
- 保健所へ「飲食店営業許可」の申請 ✍️
- 申請書類を提出します。
- 保健所の施設検査
- 保健所の担当者がお店に来て、シンクの数や手洗い場の設置など、図面通りに衛生基準を満たしているかチェックします。
- 「飲食店営業許可証」の交付
- 検査に合格すれば、数日〜1週間ほどで許可証が交付されます。これでやっと第一関門突破です!
- 警察署へ「風営法許可」の申請
- 交付されたばかりの「飲食店営業許可証」のコピーを含む、大量の申請書類と図面作成したものを提出します。
- 警察署・浄化協会の実査(現地調査)
- 今度は警察の担当者がお店に来て、客室の面積や見通しを妨げる設備がないかなど、風営法の基準を満たしているかチェックします。
- 「風俗営業許可証」の交付
- 申請から約2ヶ月後、問題がなければようやく許可証が交付され、接待を伴う営業を開始できます。💃🎵
「深夜営業」の場合は手続きの順番が少し違う?
「うちは接待はしないけど、深夜0時以降もお酒を出すバーをやりたいんだ」という方も多いでしょう。
この場合は「風俗営業許可」ではなく、「深夜酒類提供飲食店営業届出」という手続きが必要になります。
「風俗営業許可」と「深夜酒類提供飲食店営業届出」の違い
この2つはよく混同されますが、全くの別物です。
項目 | 風俗営業許可(1号営業) | 深夜酒類提供飲食店営業届出 |
キーワード | 接待あり | 深夜0時以降の酒類提供 |
営業時間の制限 | 原則、深夜0時まで(地域による) | 制限なし |
手続きの種類 | 許可(審査があり、簡単には取れない) | 届出(要件を満たしていれば受理される) |
難易度 | かなり高い | 高い |
ガールズバーや一部のバーなど、「接待」には当たらないけれど深夜営業をしたいお店がこの届出の対象となります。
深夜営業の場合の申請フロー
この場合も、申請順番の基本は変わりません。
- 保健所で「飲食店営業許可」を取得する。
- 「飲食店営業許可証」のコピー、図面、他届出に必要な書類を添えて、警察署に「深夜酒類提供飲食店営業届出」を提出する。
届出は許可と違い、書類が受理されれば10日後から営業を開始できます(原則、営業開始の10日前までに届出)。
手続き代行を依頼すれば、よりスムーズです。
手続きの順番を間違えるとどうなる?知っておきたいリスク

もし、この順番や各機関との連携を軽視すると、深刻な事態に陥る可能性があります。
リスク①:開業スケジュールの致命的な遅延
前述の通り、飲食店営業許可がなければ風営法の申請はできません。この順番を知らずに風営法の準備から進めてしまうと、警察署の窓口で「まず保健所に行ってください」と言われ、そこからまた一からのスタートに。
オープン日が1ヶ月、2ヶ月と遅れれば、その間の家賃や人件費が丸々赤字となり、開業準備で確保していた運転資金を大きく圧迫します。
リスク②:悲劇!内装工事のやり直し
これが最も避けたいリスクです。
保健所が求める「衛生管理上の施設基準」と、警察が求める「風俗環境上の施設基準」は、チェックするポイントが異なります。
(例)
- 保健所:「厨房と客席がしっかり区画されているか」「シンクは2槽以上あるか」など
- 警察署:「客室の内部に見通しを妨げる高さ1m以上の設備がないか」「客室の面積は規定以上か」など
もし、保健所の基準だけで内装工事を進めてしまい、いざ風営法の申請段階で「この壁はダメ」「この個室は認められない」と指摘されたら…?
費用をかけて行った工事を、また壊してやり直すという悲劇が起こり得ます。
保健所 警察 同時相談の重要性
これらのリスクを回避するための最強の解決策は、「店舗設計・内装工事の着工前に、保健所と警察署の両方に事前相談に行くこと」です。
図面を持って両方の窓口を回り、「この設計でそれぞれの許可(届出)基準をクリアできますか?」と確認を取るのです。
これにより、手戻りのないスムーズな許認可申請が可能になります。
まとめ:正しい順番と事前相談が成功の鍵!

飲食店営業許可と風営法許可、手続きのまとめです。
- 申請の順番は、必ず「①保健所」→「②警察署」!
- 接待をするなら「風俗営業許可」、深夜にお酒を出すなら「深夜酒類提供飲食店営業届出」が必要。
- 最大のリスク回避策は、工事着工前に両方の役所に「同時事前相談」をすること。
これらの開業手続きは非常に複雑で、専門知識が求められます。もし「自分でやるのは時間も自信もない…」と感じたら、私たち行政書士にご相談ください。
私たちは、保健所と警察署の両方の要件を熟知した上で、店舗設計の段階からアドバイスを行い、書類作成から申請まで、すべての許認可申請をワンストップでサポートします。
あなたの貴重な時間と労力を、面倒な手続きではなく、お店のコンセプト作りやメニュー開発、スタッフ採用といった、本来の経営業務に集中させてください。🤝
スムーズな店舗開業は、私たち専門家にお任せくださいね。