皆さん、こんにちは!
風営法と国際業務を専門とする鈴鹿行政書士事務所です。
「いつかは自分のスナックを持ちたい…」そんな素敵な夢をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

しかし、スナックの開業には「風営法」という法律が大きく関わってきます。
「なんだか難しそう…」「自分のお店はどの手続きが必要なの?」と不安に思うかもしれませんね。

ご安心ください!この記事を最後まで読めば、あなたの理想のスナックを開業するために、風営法許可が必要なのか、それとも深夜営業の届出だけで良いのかが、スッキリと理解できますよ。

スナック開業の夢、その前に知っておきたい「風営法」の壁

スナック開業の夢、その前に知っておきたい「風営法」の壁

スナック開業の準備を進める上で、避けては通れないのが風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)です。
この法律は、お店の健全な運営を保つために様々なルールを定めています。

特にスナックの場合、お客様への「もてなし方」によって、必要な手続きが全く異なってくるのが最大のポイントです。
知らずに営業を始めて「無許可営業だった…」なんてことにならないよう、最初にしっかりと確認しておきましょう!✍️

「接待」があるかないか?スナック開業の許可を分ける最大のポイント

「接待」があるかないか?スナック開業の許可を分ける最大のポイント

ズバリ、あなたのスナックに必要な手続きを分けるのは「接待」をするか、しないか、この一点にかかっています。

「え?お客さんと楽しくお話しするのも接待じゃないの?」と思ったあなた、良い質問です。実は、風営法における「接待」には明確な定義があるんです。

そもそも「接待」って何?風営法が定める具体的な行為

法律の世界では、接待を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義しています。…と言われても、ピンとこないですよね。

もっと具体的に言うと、以下のような行為が「接待」にあたると判断される可能性が高いです。

  • 特定のお客様の隣にピッタリ座って、継続的にお話やお酌をする 👩‍❤️‍👨🍸
  • お客様と一緒にカラオケでデュエットする 🎵
  • お客様と一緒にダーツやゲームなどの遊興に興じる 🎯
  • ショーを見せたり、ダンスをしたりする 💃
  • スタッフを指名できる

ポイントは、「特定少数の客」に対してサービスを提供することです。
注文されたお酒を作って提供したりするカウンター業務
は、原則として「接待」にはあたりません。

あなたのスナックはどっち?接待の有無で変わる営業形態

さて、あなたの理想のスナックはどちらのタイプでしょうか?

  • 【接待ありのスナック】
    お客様の隣に座ってお酌をしたり、デュエットしたり…というアットホームなサービスを考えている場合。
    ➡️ 風俗営業許可(1号営業) が必要です。
  • 【接待なしのスナック】
    あくまでカウンター越しでの短時間の会話や飲み物などの提供に限定し、深夜0時以降も営業したい場合。
    ➡️ 深夜酒類提供飲食店営業届出 が必要です。(深夜0時前に閉店する場合は、通常の飲食店営業許可のみでOK)

比較解説!「風俗営業許可」と「深夜営業届出」スナック開業の手続きの違い

比較解説!「風俗営業許可」と「深夜営業届出」スナック開業の手続きの違い

「許可」と「届出」、言葉は似ていますが、手続きの難易度や営業のルールは全く異なります。ここで、その違いを明確にしておきましょう。

表で一目瞭然!許可と届出の徹底比較

 項目 風俗営業許可(1号営業) 深夜酒類提供飲食店営業届出
必要な行為接待あり 👩‍❤️‍👨接待なし(主としてお酒を提供)🍸
手続きの種類許可(警察の審査・許可が必要)届出(警察への届出で完了)
管轄公安委員会(警察)公安委員会(警察)
営業時間原則、深夜0時まで(一部地域は1時まで)制限なし(24時間営業も可能)
場所の要件厳しい(用途地域、保護対象施設からの距離制限あり)比較的緩やか(住居用途地域はNG)
店舗構造厳しい(客室内の見通しを妨げる設備NGなど)比較的緩やか(客室の床面積要件など)
申請・届出のタイミング原則工事完了後に申請営業開始の10日前まで
標準処理期間申請から約55日届出受理の10日後
こんなお店いわゆる「スナック」「キャバクラ」「クラブ」「ショットバー」「ダイニングバー」など

手続きが複雑な「風俗営業許可(1号営業)」

接待を行うスナックを開業するには、風俗営業許可が必要です。こちらは「許可」という名前の通り、警察の厳しい審査をクリアしなければなりません。📄

  • 営業時間の制限: 原則として深夜0時(または1時)には閉店しなければなりません。
  • 場所の要件: 🏢 学校や病院、図書館などの「保全対象施設」から一定の距離が離れている必要があります。また、営業できる「用途地域」も法律で決まっています。
  • 人的要件: 経営者や管理者が、過去に犯罪歴がないかなどの「欠格事由」に該当しないことが求められます。
  • 手続きの流れ: 事前相談 → 書類作成 → 警察署へ申請 → 実地調査(お店のチェック)→ 許可、という流れで、通常2ヶ月ほどかかります。

開業手続きは非常に複雑で、専門的な知識が求められるため、多くの開業準備中の方が私たち行政書士のような専門家にご相談されます。

比較的シンプルな「深夜酒類提供飲食店営業届出」

カウンター越しでのサービスに徹し、深夜0時以降も営業したい場合は、深夜酒類提供飲食店営業届出を行います。こちらは「届出」なので、要件を満たした書類を提出すれば、原則として営業が可能です。

  • 営業時間の自由度: 深夜営業の制限がないため、お客様がいる限りお店を開けておくことができます。
  • 注意点: 最も注意すべきは、「絶対に接待をしてはいけない」ということです。「お客様に頼まれたから」「少しだけなら…」という軽い気持ちで接待行為をしてしまうと、無許可営業として厳しい罰則(5年以下の拘禁または3億円以下の罰金。もしくはその両方)の対象となります。これは店舗経営において致命的なリスクです。

スタッフにも「カウンターから出てお客様の隣に座らない」「お酌はしない」など、具体的なルールを徹底させることが重要です。

スナック開業で失敗しないための風営法上の注意点

スナック開業で失敗しないための風営法上の注意点

夢のスナック開業を成功させるために、法律に関する注意点をQ&A形式で確認しておきましょう。

「深夜営業届出」で開業したのに、うっかり接待!?摘発のリスク

これは、スナック開業で最も多いトラブルの一つです。
最初は「接待なし」のつもりで深夜営業の届出をしたものの、常連さんが増えてくるうちに、つい隣に座ってお酌をしてしまった…なんてケースは後を絶ちません。

警察の立ち入り調査は抜き打ちで行われます。その際に接待行為が発覚すれば、即刻営業停止や罰則の対象となる可能性があります。
大切な自分の店を守るためにも、最初に決めた営業スタイルを貫く強い意志が必要です。

よくある質問Q&A|スナック開業と風営法許可

スナック開業許可を取得する場合の費用は、大きく分けて警察に支払う申請手数料と、書類作成などを依頼する行政書士への報酬があります。風営法許可申請の場合、手数料が24,000円、行政書士報酬が20万円~30万円というのが一つの目安です。一方、深夜営業届出の場合は行政書士報酬のみで、10万円前後が相場となります。もちろん、お店の規模や状況によって変動しますので、まずは専門家に相談してみるのがおすすめです。

スナック開業居抜き物件を利用すると初期費用を抑えられますが、注意が必要です。まず、前の店の風営法許可は引き継げません。必ず自分で新たに許可を取得する必要があります。また、前の店の構造が現在の風営法ルールに適合しているとは限りません。特に、客室内の見通しを妨げる柱や間仕切りがないかなど、契約前に専門家と一緒に内見することをお勧めします。

スナック開業手続きにかかる期間は、許可か届出かで大きく異なります。風営法許可の場合、警察署に申請してから許可が下りるまで、標準処理期間として約55日(約2ヶ月)かかります。書類準備期間も含めると3ヶ月以上見ておくと安心です。深夜酒類提供飲食店営業届出の場合は、書類を提出してから10日後には営業を開始できます。この期間の違いも、事業計画を立てる上で非常に重要です。

まとめ:自分の理想のスナックに合った正しい手続きで、夢の開業へ!

まとめ:自分の理想のスナックに合った正しい手続きで、夢の開業へ!

いかがでしたでしょうか?
あなたのスナック開業に必要な許可や手続きが見えてきましたか?

  • お客様の隣に座るなどの「接待」をするなら → 風俗営業許可 ✍️
  • カウンター業務に徹して深夜も営業するなら → 深夜酒類提供飲食店営業届出

この違いをしっかり理解し、ご自身の理想とするお店のスタイルに合った正しい手続きを選択することが、夢の実現への第一歩です。

風営法の手続きは複雑で、一人で進めるのは大変なことも多いです。少しでも不安や疑問があれば、私たち鈴鹿行政書士事務所のような専門家にご相談ください。あなたの素晴らしいスナック開業の夢を、全力でサポートさせていただきます!