「クラブを深夜まで営業したい」
「ライブハウスでお酒を提供し、朝までイベントをやりたい」
「スポーツバーで、DJを入れて深夜も盛り上げたいが、どんな許可が必要?」

深夜0時以降に、お客様にお酒を提供し、かつダンスやショー、DJプレイなどで「遊興させる」営業を行うには、管轄の警察署から「特定遊興飲食店営業許可」を取得する必要があります。

この許可は、平成27年の風営法改正で新設された比較的新しい制度で、要件が非常に複雑です。特に「深夜酒類提供飲食店」との違いが分かりにくく、知らずに営業すると無許可営業として重い罰則の対象となる可能性があります。

この記事では、風俗営業の許認可を専門とする行政書士が、特定遊興飲食店営業許可の基本から、料金、申請の流れ、そして許可取得の重要なポイントまで、全てを分かりやすく解説します。

特定遊興飲食店営業許可とは?【深夜営業との違い】

特定遊興飲食店営業とは、簡単に言うと「深夜0時以降に、①客にお酒を提供し、②客に遊興させる」営業形態のことです。

対象となるお店の例

  • ナイトクラブ、ディスコ
  • ライブハウス
  • ショーパブ
  • スポーツバー(DJブースを設けたり、不特定多数の客に遊興を促す場合)
営業形態の違い(図解デザイン)

【最重要】「深夜酒類提供」との違いは
「遊興」の有無

この2つの営業形態の最大の違いは、お客様を「遊興」させるか否かです。

許可・届出の種類 深夜のお酒 遊興 接待 具体例
特定遊興飲食店営業 クラブ、ライブハウス、ショーパブ
深夜酒類提供飲食店営業 バー、居酒屋、ダーツバー(遊興なし)
風俗営業(1号) キャバクラ、スナック

「遊興」とは?

営業者が積極的に客に遊び興じさせる行為を指します。例えば、DJが音楽を流してダンスを促したりステージでショーを見せたりする行為が該当します。

特定遊興飲食店営業許可 申請代行サービスの料金・費用(PC向けデザイン)

申請代行サービスの料金・費用

当事務所にご依頼いただく場合の料金と、申請に必要な実費の内訳です。

特定遊興飲食店営業許可

申請サポートプラン

240,000円~

警察署とのやりとり、場所の要件調査、専門的な図面作成、書類一式の作成・収集を含みます。

このプランで相談する

実費① 警察署への申請手数料

許可申請の際に、警察署へ支払う法定手数料として24,000円が必要です。

実費② 保健所への申請手数料

セットプランの場合、保健所への飲食店営業許可の手数料として18,300円程度が別途必要です。(地域により変動)

ご依頼から許可取得までの流れ(カジュアルデザイン)

ご依頼から許可取得までの全6ステップ 【期間:申請から約55日】

申請から許可が下りるまでの標準期間は約55日。お客様と警察署の間に立ち、スムーズな許可取得をサポートします!

STEP 1無料相談・お見積り

まずはお電話・メールで状況を教えてください!「ここで営業できる?」「こんなお店にしたいんだけど…」など、何でもお気軽にご相談いただけます。

STEP 2場所の要件調査

ここが一番大事なポイント!お店の場所がルールに合っているか、近くに学校や病院などの「保全対象施設」がないか、プロの目で徹底的に調査します。

STEP 3ヒアリング・店舗の計測

お店のコンセプトなどを詳しくヒアリング!警察署に出す専門的な図面を作るため、お店の中を計測させていただきます(約1~2時間)。

STEP 4保健所への飲食店営業許可申請

(※セットプランの場合)
次に保健所へ飲食店営業の許可を申請します。後日あるお店のチェックも、鍵をお預かりして私たちが対応できるのでラクラクです!

STEP 5警察署への申請・実地調査

いよいよ警察署へメインの申請です!後日、警察担当者によるお店のチェック(実査)がありますが、もちろん私たちも立ち会うので安心してくださいね。

STEP 6許可証の交付・営業開始!

申請から約55日後、ついに許可証が交付されます!おめでとうございます!この日から、深夜まで楽しめるお店をスタートできます。

特定遊興飲食店営業許可(クラブ・ライブハウス)申請|よくある質問50選

特定遊興飲食店営業許可
よくある質問50選

クラブ・ライブハウスなどを開業したい方の疑問を解決します!

この許可は要件が非常に複雑です。必ず物件契約や工事の前に、店舗の所在地を管轄する警察署(生活安全課)に相談し、正確な情報を確認してください。

Q.「特定遊興飲食店営業許可」とは何ですか?
A.

ナイトクラブやライブハウスなどが、深夜0時以降にお客さんにお酒を提供し、かつ「遊興」させるために必要な、風俗営業法に基づく警察署の許可です。

Q.どんなお店がこの許可の対象になりますか?
A.

深夜0時以降に、DJプレイ、ライブ、ダンスなどでお客さんを楽しませることを主な目的とするクラブ、ライブハウス、ダンスホールなどが典型的な例です。

Q.「深夜酒類提供飲食店営業」との一番の違いは何ですか?
A.

一番の違いは「遊興」させるかどうかです。深夜にお酒を出すだけで、店側が積極的にお客さんを楽しませる行為(遊興)をしないバーやダーツバーなどは「深夜酒類提供飲食店営業」の届出になります。

Q.なぜこの許可が必要なのですか?
A.

風営法では、深夜0時以降にお客さんを「遊興」させる営業を原則禁止しています。この許可は、一定の要件を満たした店舗に限り、例外的に深夜の遊興を認めるためのものです。

Q.申請先は保健所ではなく警察署で合っていますか?
A.

はい、その通りです。風俗営業に関する許可なので、お店の所在地を管轄する警察署の生活安全課が申請窓口になります。

Q.「遊興」とは具体的に何を指しますか?
A.

店側が積極的に、不特定多数のお客さんを楽しませるために働きかける行為を指します。例えば、DJが音楽を流して踊るよう促したり、ライブ演奏で観客を盛り上げたりする行為が該当します。

Q.ただBGMを流しているだけなら不要ですか?
A.

はい。お客さんがBGMを聞いて勝手に楽しんだり、会話の背景として音楽が流れているだけの場合は「遊興」には当たらないため、この許可は不要です。

Q.どこでも開業できますか?
A.

いいえ、できません。都市計画法で定められた「用途地域」によって、営業できる場所が厳しく制限されています。

Q.営業できる用途地域を教えてください。
A.

都道府県の条例で定められますが、一般的には「商業地域」など、ごく限られたエリアでしか営業できません。住居系の地域では原則として不可能です。

Q.「保護対象施設」とは何ですか?
A.

学校、図書館、病院、保育所など、特に静穏な環境を必要とする施設のことです。これらの施設の周辺では営業が認められません。

Q.保護対象施設からどのくらい離れる必要がありますか?
A.

都道府県の条例によって距離が定められており、非常に厳しい要件です。例えば東京都では商業地域で50m以上などと定められています。この距離制限をクリアできないと許可は下りません。

Q.物件探しの段階で何をチェックすべきですか?
A.

まず「用途地域」を市区町村の役所で確認し、次に店舗予定地の地図を用意して、周辺に「保護対象施設」がないかを徹底的に調査することが最も重要です。

Q.客室の内部に見通しを妨げる設備はダメなのですか?
A.

はい。善良な風俗を害する行為を防ぐため、客室全体を見通せる構造が求められます。原則として、高さ1メートル以上のつい立や仕切りなどを設置することはできません。

Q.個室は作れますか?
A.

見通しを妨げるため、原則として個室(VIPルームなど)を設けることはできません。どうしても設置したい場合は、警察署との綿密な事前協議が必要です。

Q.お店の明るさ(照度)に決まりはありますか?
A.

はい。営業所内の明るさは常に10ルクスを超えている必要があります。暗すぎると風紀が乱れる恐れがあるためです。

Q.調光器(スライダックス)は設置できますか?
A.

設置は可能ですが、明るさを10ルクス以下にできないように改造(止めネジなど)する必要があります。警察の実地調査で厳しくチェックされるポイントです。

Q.防音・防振設備はなぜ必要ですか?
A.

深夜に大音量で営業するため、周辺の住民や施設に騒音や振動で迷惑をかけないよう、条例で定められた基準をクリアする防音・防振設備が必須となります。

Q.消防法の基準もクリアする必要がありますか?
A.

はい、もちろんです。不特定多数の人が集まるため、避難経路の確保や消防設備の設置など、消防法上の基準も厳しく審査されます。消防署の検査も別途必要です。

Q.誰でも申請者になれますか?
A.

いいえ。風営法で定められた「欠格事由」に該当する人は申請者(営業者)になることができません。

Q.「欠格事由」とは何ですか?
A.

例えば、破産者で復権を得ていない人、特定の犯罪で刑罰を受けてから5年経っていない人、未成年者、暴力団関係者などが該当します。

Q.法人が申請する場合の注意点は?
A.

法人の役員(取締役や監査役など)全員が、欠格事由に該当していないことが絶対条件です。一人でも該当者がいると許可は下りません。

Q.「管理者」は必ず選ばないといけないのですか?
A.

はい。営業所ごとに、営業者を補佐して店舗の業務を統括する「管理者」を1名選任することが法律で義務付けられています。

Q.管理者になるための要件はありますか?
A.

申請者と同様に欠格事由に該当しないことに加え、業務を誠実に行える知識と能力があることが求められます。通常、特別な資格は不要です。

Q.申請から許可までどのくらいかかりますか?
A.

警察署に申請書類を提出してから許可が下りるまでの標準的な期間(標準処理期間)は、おおむね55日以内とされています。ただし、書類の不備などがあればさらに長引きます。

Q.申請に必要な主な書類は何ですか?
A.

申請書のほか、営業の方法を記載した書類、住民票、身分証明書、誓約書、店舗の賃貸借契約書、そして非常に専門的な各種図面(平面図、求積図、照明音響設備図など)が多数必要です。

Q.図面作成は素人でもできますか?
A.

非常に困難です。警察が求める基準に沿った専門的な図面(照明・音響・防音設備の配置や仕様など)が必要なため、通常は風営法専門の行政書士などに依頼します。

Q.申請手数料はいくらくらいかかりますか?
A.

警察署に支払う申請手数料が約24,000円です。これとは別に、風俗環境浄化協会の検査手数料などが数万円かかる場合があります。

Q.警察の調査(実査)では何を見ますか?
A.

警察署の担当者と風俗環境浄化協会の検査員が店舗を訪れ、提出した図面通りに内装が仕上がっているか、照度が基準を満たしているか、見通しを妨げるものはないかなどを厳しくチェックします。

Q.許可が下りる前に営業していいですか?
A.

絶対にできません。許可証を受け取る前に営業を開始すると「無許可営業」となり、風営法違反で逮捕される可能性もある重い罰則の対象となります。

Q.飲食店営業許可も同時に申請する必要がありますか?
A.

はい。お酒や食事を提供する場合は、保健所に対して「飲食店営業許可」の申請も別途必要です。警察の許可と保健所の許可、両方が揃って初めて営業できます。

Q.事前相談はしたほうがいいですか?
A.

必須とお考えください。内装工事に着手する前に、店舗の図面を持って管轄の警察署(生活安全課)に相談に行くことで、後々の手戻りを防ぐことができます。

Q.営業時間の制限はありますか?
A.

特定遊興飲食店営業は、深夜0時以降も営業できるのが特徴で、法律上は24時間営業が可能です。ただし、地域によっては条例で営業時間に制限が設けられている場合もあります。

Q.許可取得後に守るべきことは何ですか?
A.

法律で定められた多くの「遵守事項」を守る義務があります。例えば、18歳未満の者を立ち入らせない、名義貸しの禁止、営業所内の照度を10ルクス以下にしない、などです。

Q.警察の立入検査は抜き打ちでありますか?
A.

はい。営業が開始された後も、警察官が営業時間中に訪れて、法令が守られているか(照度、従業員名簿の備え付け、未成年者の有無など)を確認する立入検査が、事前の連絡なく行われることがあります。

Q.お店で「接待」をしてもいいですか?
A.

いいえ、できません。お客さんの隣に座ってお酌をしたり、特定の客と長時間おしゃべりしたりする「接待行為」は禁止されています。接待をする場合は、キャバクラなどと同じ「1号営業」の許可が必要です。

Q.DJがお客さんを煽ったりするのは「遊興」にあたりますか?
A.

はい、典型的な「遊興」行為とみなされます。マイクパフォーマンスで盛り上げたり、特定の音楽で踊るよう促したりする行為は、店側が積極的にお客さんを楽しませる行為に該当します。

Q.ライブハウスでお客が自発的に踊るのは「遊興」ですか?
A.

店側が関与せず、お客さんが音楽に合わせて自発的に手拍子をしたり体を揺らしたりするだけなら、「遊興」には当たらないと解釈されることが多いです。しかし、その線引きは非常に微妙であり、警察の判断によります。

Q.構造や設備を変更したら届出が必要ですか?
A.

はい。壁の配置や客室の面積など、許可の根幹に関わる重要な変更の場合は「変更承認申請」が、営業者の氏名や住所など軽微な変更の場合は「変更届」が必要です。無断での変更は処罰の対象です。

Q.違反するとどうなりますか?
A.

違反の程度に応じて、警察から「指示」「営業停止(数日間〜数ヶ月間)」「許可の取消し」といった行政処分が下されます。営業停止命令は経営に大きな打撃を与えます。

Q.許可証は掲示する義務がありますか?
A.

はい。交付された許可証は、営業所の見やすい場所(入口やレジカウンターなど)に掲示することが法律で義務付けられています。

Q.相続や法人の合併で許可は引き継げますか?
A.

はい、可能です。ただし、自動的に引き継がれるわけではなく、所定の期間内に警察署へ「承認申請」を行い、承認を受ける必要があります。

Q.風営法の何号営業にあたりますか?
A.

特定遊興飲食店営業は、接待を伴う1号〜5号の店舗とは別の独立した許可区分です。したがって「○号営業」という呼び方はしません。

Q.営業所の面積に決まりはありますか?
A.

法律上、全国一律の面積要件はありません。ただし、自治体の条例によっては客室の面積などに独自の基準が設けられている場合があります。

Q.ダンスをするためのスペースに決まりはありますか?
A.

かつての風営法には「ダンスホール」に関する規定がありましたが、現在の特定遊興飲食店営業では、ダンスフロアの面積などに関する具体的な規定はありません。客室の一部として扱われます。

Q.厨房は必要ですか?
A.

風営法上、厨房の設置は必須ではありません。しかし、お酒や食事を提供する場合は保健所の「飲食店営業許可」が別途必要となり、その許可基準を満たす厨房設備が必要になります。

Q.申請のタイミングはいつが良いですか?
A.

内装工事が完了した段階で申請するのが一般的ですが、最も重要なのは「内装工事の設計段階」で警察署に事前相談に行くことです。要件を満たさないまま工事を進めてしまうと、後で大規模な手直しが必要になるリスクがあります。

Q.自分で申請できますか?
A.

法律上は可能です。しかし、場所的要件の調査、専門的な図面の作成、警察との折衝など、非常に複雑で専門知識が求められるため、風営法専門の行政書士に依頼するのが一般的です。

Q.ショーパブもこの許可が必要ですか?
A.

ショーの内容によります。単にステージ上でショーを見せるだけであれば、深夜酒類提供の届出で足りる場合があります。しかし、演者が客席に下りてきて一緒に盛り上がるなど「遊興」とみなされる行為があれば、この許可が必要になる可能性があります。

まとめ:複雑な特定遊興飲食店許可は、専門家におまかせください

特定遊興飲食店営業許可は、要件が非常に複雑で、営業できるエリアも限られているため、
許可申請の中でも特に難易度の高い手続きの一つです。
お客様が安心して理想のお店づくりに集中できるよう、面倒な法的手続きは、ぜひ専門家である当事務所にお任せください。
「まずは話だけ聞いてみたい」「この場所でクラブの許可が取れるか調べてほしい」といったご相談も大歓迎です。お気軽にご連絡ください。

事務所概要(デザインB:信頼感&フォーマル)
事務所名
鈴鹿行政書士事務所
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