こんにちは!音楽とナイトライフを愛する起業家を応援する、風営法と国際業務の専門家、鈴鹿行政書士事務所です。
「お客さんが朝まで踊れるダンスクラブを開きたい!」
「お酒を飲みながら音楽を楽しめるライブハウスを経営したい!」
そんな熱い想いをお持ちのあなた、素晴らしいですね!
しかし、その営業形態、実は通常の飲食店営業やスナックの許可では実現できないことをご存知でしょうか?
特に、「深夜にお酒を提供し、かつお客さんにダンスやライブを楽しんでもらう」という営業スタイルには、「特定遊興飲食店営業」という特別な許可が必要になります。
「なにそれ、初めて聞いた…」
「普通の風俗営業と何が違うの?」
ご安心ください!この特定遊興飲食店営業は、2016年の風営法改正で生まれた比較的新しい許可区分。
まだまだ知られていないのも無理はありません。
この記事を読めば、その全てがスッキリ分かります!
特定遊興飲食店営業とは?深夜に「遊ばせる」お店の許可

まず結論から。特定遊興飲食店営業とは、「深夜0時以降に」「お酒を提供し」「お客さんにダンスやライブなどの『遊興』をさせる」という3つの要素が揃った飲食店に必要な許可のことです。
かつて、クラブのようなお店は法律上グレーな存在で、深夜にお客さんを踊らせることが「無許可の風俗営業」と見なされ、摘発されるケースが後を絶ちませんでした。
この状況を改善し、健全なナイトカルチャーを育むために新設されたのが、この特定遊興飲食店営業許可なのです。
これにより、クラブやライブハウスなどが、法律を守って堂々と深夜営業できる道が開かれました。🎵💃
あなたの店はどれ?特定遊興飲食店営業の3つの必須要件
ご自身の計画しているお店がこの許可に該当するかどうか、3つの必須要件でチェックしてみましょう。
要件1:ナイトタイム(深夜0時~午前6時)に営業する
営業時間に、深夜0時から午前6時までの時間帯が含まれていることが大前提です。この時間帯に営業しないのであれば、この許可は必要ありません。🌃
要件2:お酒を提供する
お酒を提供し、お客さんに店内で飲んでもらう「酒類提供飲食店」であることが必要です。お酒を出さないのであれば、これも該当しません。🍸
要件3:お客さんに「遊興」をさせる
これが最も重要で、この許可を特徴づける要件です。「遊興をさせる」とは、お店側が積極的に、お客さんが遊び楽しむための環境を提供する行為を指します。
【「遊興」にあたる具体例】
- 不特定の客にダンスをさせるためのスペースと設備を提供する(クラブなど)
- バンドの生演奏やDJプレイなど、音楽やショーをお客さんに見せたり聞かせたりする(ライブハウス、ショーパブなど)
- スポーツ等の映像を大型スクリーンで流し、マイクパフォーマンスなどで客を能動的に盛り上げる(スポーツバーなど)
単にBGMを流しているお店で、お客さんが勝手に手拍子したり踊りだしたりするだけでは「遊興をさせている」とは見なされません。
あくまでお店側が「さあ、踊ってください!楽しんでください!」と仕掛けているかどうかがポイントです。
【徹底比較】風俗営業・深夜営業との違いはコレだ!

「じゃあ、スナックやガールズバーとは何が違うの?」その疑問、比較表でスッキリ解決しましょう!
項目 | 特定遊興飲食店営業 (クラブ、ライブハウス等) | 風俗営業1号 (スナック、キャバクラ等) | 深夜酒類提供飲食店営業 (バー、ダーツバー等) |
手続きの種類 | 許可 | 許可 | 届出 |
深夜営業 | 可能(メイン) ✅ | 原則 不可 🚫(一部地域で1時まで可) | 可能(メイン) ✅ |
接待行為 | 不可 🚫 | 可能(メイン) ✅ | 不可 🚫 |
遊興させる行為 | 可能(メイン) ✅ | 不可 🚫 | 不可 🚫 |
営業できる場所 | 比較的厳しい | 比較的厳しい | 比較的緩やか |
主な目的 | お客さんを遊ばせる | お客さんを接待する | お酒を提供する |
この表を見れば一目瞭然ですね。
- 接待がしたければ → 風俗営業1号(ただし深夜営業はNG)
- 深夜にお酒を出したいだけなら → 深夜酒類提供(接待も遊興もNG)
- 深夜に遊興させたいなら → 特定遊興飲食店営業(接待はNG)
このように、やりたい営業スタイルによって、取るべき許可が全く異なるのです。
特定遊興飲食店営業の許可取得は難しい?主要な要件

この許可は、風俗営業の中でも特に要件が厳しく、専門的な知識が不可欠です。主なポイントをいくつかご紹介します。
- 場所的要件:営業できるエリアは非常に限定されています。原則として商業地域のみで、かつ各都道府県の条例で定められた特定のエリアでしか営業できません。
- 人的要件:通常の風俗営業と同じく、申請者や管理者に前科などの欠格事由がないことが求められます。
- 構造的要件:
- 客室の広さ:33㎡以上であること。(1号営業より広い)
- 見通し:高さ1m以上の仕切りはNG。
- 明るさ:10ルクスを超えること。(1号営業より明るい)
- 防音・防振設備:大音量の音楽を出すため、近隣に迷惑がかからないよう、条例で定める基準をクリアした防音・防振構造が必須です。この工事費用が高額になるケースも少なくありません。
特定遊興飲食店営業 許可 流れ
特定遊興飲食店営業の許可を取得するまでの流れは、①事前調査 → ②申請書類・図面作成 → ③警察署へ申請 → ④実地検査 → ⑤許可証交付、となります。特に、場所的要件の調査と、防音・防振に関する構造要件の確認が重要です。
開業準備の初期段階で、内装業者だけでなく行政書士などの専門家を交えて計画を進めることが、失敗しないための鍵となります。
まとめ:あなたの夢、正しい許可で実現させよう!

今回は、クラブやライブハウスの深夜営業に不可欠な「特定遊興飲食店営業」について解説しました。
- 特定遊興飲食店営業は「深夜+お酒+遊興」の3点セットが揃ったお店のための許可。
- 「接待」はできないが、堂々と深夜にお客さんを踊らせたり、ライブを楽しんでもらったりできる。
- 場所や構造、防音設備などの要件が厳しく、専門的な準備が必要。
音楽やダンスで人々を楽しませたい、というあなたの素晴らしいビジョン。
それを実現するためには、まず正しい法律の知識と、適切な許可手続きが不可欠です。
「自分の計画しているお店は、どの許可に該当するんだろう?」
「防音工事の基準がよくわからない…」
そんなお悩みがあれば、どんな些細なことでも、私たち鈴鹿行政書士事務所にご相談ください。
あなたの熱い想いを法的にサポートし、夢のクラブ・ライブハウスのオープンまで伴走します!🤝